副腎皮質機能低下症(アジソン病)について

こんばんは。獣医師の西井です。

今回は前回のクッシング症候群の逆にあたる病気をご説明します。

 

副腎皮質機能低下症(アジソン病)について

副腎皮質からはグルココルチコイド(コルチゾール)とミネラルコルチコイドの2つのホルモンが分泌されています。このうち、両方またはコルチゾールのみが分泌されにくくなるのがアジソン病です。コルチゾールは体をストレスから守ったり、食欲を増加させたりし、ミネラルコルチコイドは体の中の電解質(ナトリウムやカリウム)のバランスを整える役割があり、これが崩れることでさまざまな症状がでてきます。

【症状】

・元気がない(特にストレスをうけた時に沈うつになる)

・食欲がなくなる

・嘔吐

・ぐったりしている

・体重が減少する

・多飲多尿

【原因】

アジソン病は原発性と続発性の2種類あります。特発性の副腎皮質の委縮や腫瘍や肉芽腫、動脈血栓症などにより両方の副腎皮質の破壊が起こり、コルチゾールとミネラルコルチコイドの両方が分泌されにくくなるのが原発性で、下垂体からの副腎皮質刺激ホルモンの分泌が減少や長期的なステロイドの投与により副腎が委縮することでコルチゾールのみが分泌されにくくなるのが続発性です。

【診断】

血液検査、尿検査により電解質の異常や尿比重の変化を確かめる。また、高カリウム血症により心臓の伝導が抑制されている可能性もあるので心電図を測定する。レントゲン検査、超音波検査により他の病気を除外することも大切です。これらの検査で、アジソン病が疑わしくなれば、ACTH刺激試験を行います。

【治療】

重度の低ナトリウム血症や高カリウム血症により循環血液量の減少、腎前性高窒素血症、不整脈が起こるとアジソンクリーゼと呼ばれる重度のショック状態の場合、すぐに積極的な治療が必要となります。治療としては、低血圧、循環血液量の減少、電解質のバランス異常、代謝性アシドーシスの改善と即効性のコルチゾールの投与を行います。ショック症状が出ている場合は、いかに早く循環血液量の減少を補正すること(輸液をする)ができるかがカギになります。状態が安定したら、コルチゾール療法とミネラルコルチコイド療法を開始します。

【ほっておくと…?】

ストレスによりいつアジソンクリーゼが起こるかわかりません。アジソンクリーゼはほっておくと命にかかわります。定期的な検査と積極的な治療により、アジソン病のわんちゃん・ねこちゃんは本来の寿命を全うすることができますので、進行する前に相談されることをおすすめします

 

Filed under: 西井先生のブログ — nishii 9:02 PM
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