甲状腺腫瘍について

こんばんは。獣医師の西井です。

今回も引き続き甲状腺の病気についてご説明します。

 

甲状腺腫瘍について

甲状腺の腫瘍には、小型で症状を引き起こさない非機能性腺腫と、甲状腺機能亢進症を引き起こす機能性腺腫、大型で容易に触知することができる甲状腺癌があります。甲状腺腫瘍のわんちゃんでは、ほとんどが甲状腺機能は正常か低下していますが、約10%は甲状腺機能亢進症になっています。ねこちゃんでは、ほとんどが甲状腺機能亢進症になります。わんちゃんの甲状腺癌は、食道、気管、筋肉、神経、血管にまで拡がっていることが多く、肺やリンパ節にまで転移していることもあり、悪性度は高いと報告されています。

【症状】

・首にしこりができる

・呼吸困難(呼吸がしにくい、咳が出るなど)

・嚥下困難(食べ物を飲み込みにくい、もどす)

・運動したがらない(運動不耐性)

・甲状腺機能亢進症の症状

体重減少(ご飯をたくさん食べるが体重が増えない)

斑点状の脱毛

多飲多尿

嘔吐・下痢

攻撃的になる など

【診断】

超音波検査により、腫瘤の大きさ、空洞状か嚢胞状か充実性かを区別します。また超音波ガイド下で細胞診(針で腫瘤をさし、細胞をとってくる)により腫瘍が甲状腺かどうかを確認します。確定診断をするためには、腫瘍を外科的に切除し病理学的に診断する必要があります。甲状腺癌は肺に転移することが多いため、レントゲン検査により肺への転移の有無を確認することも必要です。

甲状腺腫瘍は、周囲の組織への浸潤が多いため、CT・MRIにより周囲組織への浸潤具合をチェックすることも手術の際に、非常に役立つ情報になります。

【治療】

第一選択は、手術により腫瘍を摘出することです。しかし、腫瘍の転移がみられる場合や、検査により周囲組織への浸潤が激しい場合には化学療法を行います。また、放射線療法を行うこともあります。

【ほっておくと…?】

わんちゃんの甲状腺腫瘍は大きくなるものが多く、ほっておくと呼吸困難や食べ物を飲み込めない状態になり、苦痛を伴います。大きくなる前に、「あれ?しこりがあるな」と思ったら早期に相談されることをおすすめします

 

Filed under: 西井先生のブログ — nishii 9:08 PM
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