巨大食道症について

巨大食道症について

巨大食道症とは、食道が収縮したり筋肉の緊張を保つことができず食道全体が弛緩して拡張してしまう病気です。若いころから生じる先天性と他の病気により生じる後天性の2つに分けられます。先天性はミニチュア・シュナウザー、グレート・デン、ダルメシアンなどが好発犬種として挙げられ、後天性はジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバー、アイリッシュ・セッターなどが好発犬種として挙げられます。

【症状】
・吐出(予備動作なくもどすこと。嘔吐とは「もどしそうだ」とわかる点で異なる)
・体重減少
・発咳

【診断】
①先天性巨大食道症
若いわんちゃん、ねこちゃんで吐出や呼吸器症状があり、レントゲン検査(または造影)により異物などによる食道の閉塞がなく食道が拡張している場合、先天性の巨大食道症が疑われます。場合によっては、内視鏡検査を行うこともあります。

②後天性巨大食道症
若齢でなく吐出が認められ、レントゲン検査(または造影)で食道の閉塞がなく食道全体の拡張がある場合、後天性の巨大食道症を疑います。後天性の場合、その原因となっている病気を調べることが重要です。重症筋無力症、限局性筋無力症、副腎皮質機能低下症、神経筋機能障害に関連する甲状腺機能低下症、食道炎、特発性などがあり血液検査やホルモン測定、筋電図などにより診断します。

【治療】
後天性の場合は、原因となる病気を治療することで食道の機能が改善することがあります。しかし、特発性や先天性では、現在のところ有効な治療法が見つかっていません。しかし、食道の拡張や誤嚥を防止するために食事療法がおこなわれます。方法は…
①少量の食事を1日数回に分けること
②高い台を利用して後肢で立たせて食事を取らせること
③食事を薄い粥状にすること
です。これにより、食事をするとき、首から胸にかけての食道が垂直になり食べ物が重力により食道を通過し胃に到達しやすくなります。
(YouTubeに中国のニュースで報道された巨大食道症のわんちゃんの食事の様子がありました→http://www.youtube.com/watch?v=cJwdmKKXkqk)
先天性も後天性も吐出や誤嚥の不安を取り除くために、胃瘻チューブを装着しする場合もあります。

【ほっておくと…?】
ほっておくと、誤嚥性肺炎や吸引性気管支炎により命の危険性があります。そうなる前に、「嘔吐」か「吐出」かを判断し、適切な治療をおこなうためにも、同じような症状が見られたらかかりつけの先生にご相談ください。

Filed under: 西井先生のブログ — nishii 10:55 PM
ページ先頭へ
アイペットクリニック
〒634-0812 奈良県橿原市今井町3-11-22
診療科目:予防、一般内科、一般外科、眼科
アニコム損保、アイペット 対応病院